子供のアトピー性皮膚炎の治療について
カテゴリ: 皮膚科
投稿日時:2024年04月06日
こんにちは!
名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、
梅森台レオ整形外科・ヒフ科 副院長の大口亮子です。
今日は、小さなお子さんの重度のアトピー性皮膚炎の治療について、
新たに保険適応となった薬について紹介していきます。
当院でも、
「この子はちゃんと外用もしているけれどもこの状態は本人も親御さんも辛いだろうな」
と思われる重度のアトピー性皮膚炎のお子さんはいらっしゃいます。
何度も言いますが、大人も子供も、アトピー性皮膚炎は、まずは適切な外用治療が基本です。
しかし、それでも、ステロイド外用を強いものから弱くするとすぐに悪化する場合や、
ステロイドではない、プロトピック軟膏やコレクチム軟膏やモイゼルト軟膏ではコントロールできず、いつまでたってもステロイドが必要な状態(部分的ではなく全身に塗るようなケース)、
外用剤の副作用で、とびひやヘルペスなどの感染症がしょっちゅう起きてしまう場合、
どうしても外用剤がヒリつくなどでそもそも塗ることができない場合
などは、治療強化を考えて良いと判断します。
少なくとも半年間の適切な外用の治療経過をみて、判断します。
現在、注射薬のデュピクセントは、なんと生後6ヶ月の赤ちゃんからアトピー性皮膚炎の保険適応となりました。
(デュピクセントについては当院ブログを参照ください)
実際、生後6ヶ月でなかなか注射をしてまで・・・という赤ちゃんは当院にはおりません。
デュピクセントを薦めるほどの赤ちゃんには私はまだ出会っていません。
当院では、外用のコレクチムやモイゼルトが効く赤ちゃん、多いです。
小学生ではデュピクセントを打っている患者さんはいらっしゃいます。
そして、なんと、JAK阻害内服薬のオルミエントが、2歳から使用できるようになりました!
これには私もびっくりしたのと同時に本当に良いことと感じています。
内服薬なので、注射が嫌なお子さんにとっては、嬉しいですよね。
JAK阻害内服薬の全般に言えることは、かゆみに即効性があることが利点で特徴的です。
逆に、1日でも飲み忘れると痒くなってしまったという患者さんが多いです。
デュピクセントは即効性はありませんが、副作用が少なく、安全性に優れており、肌の質感の改善や長期寛解維持に向いています。
どちらの薬を選ぶべきか、それはやはり皮膚科専門医にお任せください。
余談ですが、専門医資格をめでたく更新しました。
専門医も一度とったら終わりではなく、5年ごとに更新するためにあれこれがあります。
一般の方はきっとわからないと思いますが、
皮膚科学会認定専門医→日本専門医機構認定皮膚科専門医というややこしい専門医の名前になりました。
これからも頑張ります。
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このブログが少しでも情報としてお役に立てたなら幸いです。