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梅森台レオ整形外科・ヒフ科
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2022年7月 ドクターブログ一覧

とびひかも?と思ったら

カテゴリ: 皮膚科

投稿日時:2022年07月21日

こんにちは!

名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、
梅森台レオ整形外科・ヒフ科 副院長の大口亮子です。

 

夏になると、おおくなるのが、「とびひ」の患者さんです。

正確には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」という疾患になります。

 

大人になるととびひには通常なりにくいのですが、アトピー性皮膚炎のコントロールがうまくいっていない患者さんでは、

大人になっても発症することがあります。

 

多くは、乳児~小学校低学年前後の小さいお子さんです。

 

虫さされやあせもなどの湿疹をステロイド外用剤で治療しているうちや、

もしくは治療せずにでバリバリとかきむしっているうちに、

どんどん発疹がふえてきたり、皮膚がめくれたようになった場合は、

「とびひ」の可能性があります。

 

その場合は、一般的にはとびひに対してはステロイド外用は中止しますが、

アトピーがあってかゆみが強い部分などでは、部分的にステロイドも使用しつづけることもあります。

 

とびひの治療としては、

抗生剤の内服や外用をする

亜鉛華軟膏をつけたガーゼやリント布や包帯で患部をしっかりと覆う

お風呂では石鹸を使用してやさしく患部を洗い、シャワーでしっかりと洗い流す

ことが大切です。

 

②が結構大事なポイントで、

患部が物理的に覆われていないと、かきむしったところからの汁などがあちこちに付着して治療していてもどんどん広げてしまう恐れがあります。

 

湯舟のお湯やプールの水で感染したりはしませんが、

患部に直接触れることで、周りのひとへうつす可能性がありますので、

きょうだいで同じタオルをつかったり、一緒にお風呂にはいることは避けたほうがよいです。

残念ながら「とびひ」と言われている間は、プールはできません・・・・

 

「とびひ」は皮膚症状が落ち着いてからも数日抗生剤を続けて、しっかりと治すことが大事です。

 

ときどき、数週間後に再発する患者さんがいます。

鼻腔のなかに保菌(菌をもっている)していることがあり、鼻水がでて荒れていたり、鼻をよくさわってしまうお子さんなどは

再発しやすいので注意が必要です。

 

最後にちょっとした余談です。

私自身、1年じゅう、とくに下肢の肌が乾燥してかゆくなりやすい(重症ではないアトピーあり)です。

いろいろなボディーソープをためしてきましたが、ついにこれは良いぞ、というものがありました。

市販品の「コラージュフルフルD(乾燥肌・敏感肌用)液体石鹸」をドラッグストアで購入して使用。

泡立ちはあまりよくないのですが、

いままで使用してきたボディーソープのなかで一番乾燥しませんでした。

固形石鹸もあるので、より肌への刺激をおさえたい方は固形もおすすめです。

とびひの間は、いつものボディーソープもしみる可能性があります

このような肌にやさしい石鹸の使用についてもぜひ検討してみてくださいね。

 

では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

帯状疱疹ってどんな病気?

カテゴリ: 皮膚科

投稿日時:2022年07月14日

こんにちは!

名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、
梅森台レオ整形外科・ヒフ科 副院長の大口亮子です。

 

ちょうど1年前に、帯状疱疹の予防ワクチンである「シングリックス」について

クリニックブログで紹介をしました。

https://leo-clinic.jp/blog/614/

80歳までに帯状疱疹を約3人に1人が発症するため、50歳を超えたら予防ワクチンを打つことが推奨されます。

 

ところで、そもそも帯状疱疹とはどんな病気なのか??

コロナ禍で帯状疱疹の患者数が増えているとのデータもあり、今回は帯状疱疹のことを書きます。

 

皮膚科にはよく「帯状疱疹かどうか心配で来た」という方や、

「痛みでほかの科でみてもらったが原因がわからず、発疹がでてきた」という方など

たくさんいらっしゃいます。

10代のお子さんでも発症することはあります

 

帯状疱疹の原因となっているウイルスは、みずぼうそうと全く同じウイルス(VZV)です。

小さいころに水痘(みずぼうそう)に罹患するとそのウイルスが、からだの神経節に潜んだ状態でおさえられています。

しかし、疲労や病気やストレスなどで免疫力が低下すると、

増殖したウイルスが神経節から暴れだして、その神経支配の領域にそって発症します。

 

 

 

 

 

神経領域に沿って出てくるので、このように、からだの片側に発症することが通常です。

ですが、ウイルス量が多く症状がひどいと、ほかの部位にも、数個散らばったような水疱ができることもあります。

 

経過として多いのは、

にぶい痛みやちくちくしたかゆみからはじまる

赤みのある発疹ができる

③だんだん水疱や、めくれた状態になる

かさぶたになってくる

色素沈着をのこして発疹はなおる

⑥ひとによっては痛みがしばらく残ってしまう

 

①の時点で帯状疱疹と診断することもあれば、痛みの性状が典型的ではない場合②まで待つこともあります。

だいたいの患者さんが②~③あたりで受診されることが多いです。

皮疹がでていればたいてい診断はつけられます。

そして、抗ウイルス剤の内服、外用、鎮痛剤などで加療していきます。

 

注意してほしいのは、

症状がひどく、高熱がでたり、頭痛があったり、食欲低下、重度の基礎疾患があったりする場合

入院加療がのぞましいケースもあります。

 

また、耳の神経領域では難聴やめまいをともなったり、目の神経領域では角結膜炎で視力低下などをおこしたり、

陰部の領域では排尿障害が出たりなど、、

合併症にも注意が必要です。

その場合は、ステロイドなどの投与が必要になることもあります。

 

痛みをともなう、片側性の発疹がでた場合は、帯状疱疹かも?と疑ってみてください。

そして、けしてがまんせずに皮膚科を受診してください

早めに抗ウイルス剤で治療開始したほうが、痛みも残りにくいです

 

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました☺

 

 

 

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