院長の解説シリーズ③ 骨粗しょう症で起こる骨折 -脊椎圧迫骨折-
こんにちは!
名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、梅森台レオ整形外科・ヒフ科の院長の大口怜央です。
前回は大腿骨頚部骨折について解説いたしました(だいぶ前ですが…)。今回は骨粗鬆症によって起こるもう一つの危険な骨折、脊椎圧迫骨折について解説いたします。

脊椎圧迫骨折は背骨の椎体と呼ばれる部位の骨折です。下のレントゲン写真に示すように四角い骨がつぶれて長方形になるのですが、しりもちをついたりしてその衝撃で骨折することが多く、またくしゃみや咳でも発症します。また骨粗鬆症が進行している方はきっかけがなく自然に発症することもあります。
骨折したら腰や背中に強い痛みを発症し生活が困難になります。ひどい人は動くこともできず救急車で搬送されたり入院になることもあります。
まずはレントゲン検査で調べるのですが、骨折が軽症だったり、昔に骨折していてその痕跡が残っていたりすると判断が難しくなります。その際はCTやMRIなどの精密検査を追加して行い診断します。

骨折が判明した場合の治療は
・安静
・鎮痛薬の使用
・専用コルセットの作成、装着
などを行います。痛みで動けなくなるケースもあり、特に高齢の方は長期間安静にして寝ているとすぐに筋力が低下して寝たきりになるリスクがあります。確かに安静は必要なのですが最低限の日常生活、身の回りのことは自分で行うことを推奨しています。
圧迫骨折で怖いのは背骨がつぶれることによって起こる脊髄の損傷による神経麻痺です。折れた骨がすぐ近くを通る脊髄という神経を圧迫してしまうと足のしびれ、麻痺がおこったり、膀胱の神経も損傷して排尿障害を起こすことがあります。時間が経過してから出てくることもあるため圧迫骨折を発症した際にはその後の経過にも注意が必要です(徐々に背骨がつぶれるパターンもあるため)。神経の障害をきたすケースでは手術が必要になる場合もあります。
圧迫骨折は大腿骨頚部骨折と並んで、今後の日常生活に支障をきたすリスクが高い危険な骨折です。
当院では骨粗鬆症認定医の資格をもつ私が患者さんの骨の強さや転倒リスク、骨折リスク、生活背景、持病、家族歴まで考慮して最適な治療を提案しています。火曜日と金曜日は骨粗鬆症外来の予約をとることもできます。気になる方は是非一度当院にご相談ください。骨折を予防して「年をとっても自分のことは自分でやる」自立した生活を送れるように頑張りましょう!