ドクターブログ

梅森台レオ整形外科・ヒフ科
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スポーツで起こる障害 -腰椎分離症とは-

カテゴリ: リハビリ 整形外科

投稿日時:2026年03月01日

こんにちは!

名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、梅森台レオ整形外科・ヒフ科の院長の大口怜央です。

 

先月3週間に及ぶ冬の祭典、ミラノ・コルティナオリンピックが閉会しましたね!多くの日本を代表する選手の皆さんが熱戦を繰り広げ多くの感動をもたらしてくれました。中でもフィギュアスケートの「りくりゅうペア」こと木原龍一選手と三浦璃来選手の金メダルには心うたれた方が多かったのではないでしょうか。足場の不安定なスケートという競技で木原選手が高々と三浦選手を掲げるリフトは見事というほかありません。

 

ところで木原選手は2023年に一時ケガで競技を離れていたことを皆さんはご存じでしょうか。病名は「腰椎分離症」です。スポーツ選手によく起こる腰椎の疲労骨折で主に第4または第5腰椎の椎弓という部位に起こります。発症年齢は若い年代に多く成長期に部活やクラブチームで過剰な練習で腰に負荷をかけすぎて発症することが多い疾患です。かくいう私自身も発症してしまいましたが… 野球やバスケ、サッカーなどの競技に起こりやすいと言われています。ちょっと分かりにくいですが、下のMRI写真の若干白くぼんやり光っている場所が分離部です。

 

 

いったん発症してしまうと競技の中断は避けられません。骨折部が改善するまで3-6カ月の安静期間が必要となります。練習を中断するわけですから一時的に腰痛は改善します。そのためつい焦って競技に復帰してしまいたくなるのですが…ダメです。中途半端に治療して復帰してしまっては再骨折のリスクもあり、また分離部が完全に割れてしまうと治癒は困難になり、腰椎がずれてしまう「すべり症」を発症してしまうと最悪の場合手術が必要となります。

 

当院ではまずはスポーツの中止(必須)、硬いコルセットをつけての3カ月以上の安静を指示しています。分離症の発症には股関節や脊椎の硬さ、背骨を支えるインナーマッスルが影響していることが多いので安静期間中に関節の柔軟性を上げたりインナーマッスルを鍛えたり筋肉の柔軟性をあげるようなリハビリ治療を行います。また骨折部の癒合促進をはかる超音波治療も並行して行います。定期的にレントゲンやMRI検査を行い経過をみて問題なければ競技に復帰する許可を出します。

大事なのは早期に分離を発見し適切に治療することです。診断にはレントゲンやMRI、CT検査が必要となります。早期に発見すれば分離部を完全に癒合させることができ、その分競技にも早く復帰することができます。分離が進行してしまうと治癒する可能性が著しく落ちてしまいます。

 

りくりゅうペアのようにフィギュアスケートのリフトのような大技には二人の体幹にかかる負担は相当なものと推測されます。おそらく木原選手は練習でも腰に過剰な負担をかけ続けたのでしょう。今回分離症を克服して金メダルを獲得できて、本当に良かったです。

スポーツにケガはつきものですが、特に成長期には腰以外にも膝や足、肩、肘に成長期特有のトラブルが起こります。痛みを感じたり、できれば違和感の段階で早めに専門医にご相談いただくことをおすすめします。

 

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