当院でアトピーの治療薬「リンヴォック」「デュピクセント」いずれも投与できます
カテゴリ: 皮膚科
投稿日時:2021年12月01日
こんにちは!
名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、
梅森台レオ整形外科・ヒフ科 副院長の大口亮子です。
今日は、難治性のアトピー性皮膚炎に保険適応となった、あたらしい内服薬「リンヴォック」をご紹介します。
ここ数年でアトピー性皮膚炎の治療は、どんどん多様化・進化しています。
以前にこのブログでも紹介したJAK阻害薬の外用剤「コレクチム軟膏」は、すべてのアトピーの患者さん、2歳以上で使えます。
https://leo-clinic.jp/blog/453/
ステロイドではないため、ステロイドによる副作用を考慮しなくてもよい点や、
外用し続けることでバリア機能が回復してくることもわかっており、
「コレクチムで調子がよい」という患者さんも多いです。
注射薬「デュピクセント」は、免疫系にはたらきかけて「かゆみや炎症をおこす伝達物質」をおさえる抗体製剤です。
当院はデュピクセントの治療も積極的に行っており、非常によく効く薬であることを実感しています。
治療の適応があるかどうかは、皮膚科専門医による慎重な判断が必要ですので、おまかせください。
採血やレントゲンなどの定期的な検査も基本的には不要なので、慣れてしまえば、2週間に1回、自宅で自己注射することで、
保湿剤だけで大丈夫なほどに症状が改善する患者さんが多いです。
しかし、デュピクセントは顔の症状に効きにくいという点が、デメリットとしてありました。
難しい話をすると、「抗体製剤」はいつか効かなくなってしまう可能性や、
一定期間中断後に再開するときにアレルギーを起こすリスクもあります。
今年10月、アトピー性皮膚炎に保険適応となった、内服薬「リンヴォック」は、JAK阻害内服薬になります。
こちらは、1日1回内服するだけ、というのが注射のデュピクセントに比べるとハードルが低くなります。
そして、かゆみへの効果がデュピクセントよりも早く表れ、顔への効果も高いという臨床結果もあります。
デメリットですが、導入前の検査として、採血・胸部レントゲンが最低限必要となっております。
頻度は少ないものの血球減少などの免疫抑制の副作用のチェックのため、内服後も数か月おきの定期的な採血が必要になります。
当院は皮膚科と整形外科が一緒のクリニックなので、「レントゲン」があります。
なので、リンヴォック導入前の検査がすべて当院で完結できる、というメリットがあります。
おおきい病院に検査だけ受けにいくという手間はかからないので、リンヴォックをぜひ検討してみたいという方はご相談ください。
デュピクセントもリンヴォックも、まずは症状や基礎疾患などから適応があるかどうかを慎重に見極める必要があります。
そして、どちらも高額な薬です。高額療養費制度の対象にもなっております。
加入している健康保険に申請して認定証を交付されれば、窓口での支払い額を一体額までにおさえられる制度です。
リンヴォックは12歳以上で保険適応となっているため、住んでいる地域によりますが子供の医療費助成制度の対象となっています。
最後まで長々と読んでいただき、ありがとうございました!
アトピーがなかなかよくならないとお悩みの方はぜひご相談くださいね。