帯状疱疹ってどんな病気?
カテゴリ: 皮膚科
投稿日時:2022年07月14日
こんにちは!
名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、
梅森台レオ整形外科・ヒフ科 副院長の大口亮子です。
ちょうど1年前に、帯状疱疹の予防ワクチンである「シングリックス」について
クリニックブログで紹介をしました。
https://leo-clinic.jp/blog/614/
80歳までに帯状疱疹を約3人に1人が発症するため、50歳を超えたら予防ワクチンを打つことが推奨されます。
ところで、そもそも帯状疱疹とはどんな病気なのか??
コロナ禍で帯状疱疹の患者数が増えているとのデータもあり、今回は帯状疱疹のことを書きます。
皮膚科にはよく「帯状疱疹かどうか心配で来た」という方や、
「痛みでほかの科でみてもらったが原因がわからず、発疹がでてきた」という方など
たくさんいらっしゃいます。
10代のお子さんでも発症することはあります。
帯状疱疹の原因となっているウイルスは、みずぼうそうと全く同じウイルス(VZV)です。
小さいころに水痘(みずぼうそう)に罹患するとそのウイルスが、からだの神経節に潜んだ状態でおさえられています。
しかし、疲労や病気やストレスなどで免疫力が低下すると、
増殖したウイルスが神経節から暴れだして、その神経支配の領域にそって発症します。
神経領域に沿って出てくるので、このように、からだの片側に発症することが通常です。
ですが、ウイルス量が多く症状がひどいと、ほかの部位にも、数個散らばったような水疱ができることもあります。
経過として多いのは、
①にぶい痛みやちくちくしたかゆみからはじまる
②赤みのある発疹ができる
③だんだん水疱や、めくれた状態になる
④かさぶたになってくる
⑤色素沈着をのこして発疹はなおる
⑥ひとによっては痛みがしばらく残ってしまう
①の時点で帯状疱疹と診断することもあれば、痛みの性状が典型的ではない場合②まで待つこともあります。
だいたいの患者さんが②~③あたりで受診されることが多いです。
皮疹がでていればたいてい診断はつけられます。
そして、抗ウイルス剤の内服、外用、鎮痛剤などで加療していきます。
注意してほしいのは、
症状がひどく、高熱がでたり、頭痛があったり、食欲低下、重度の基礎疾患があったりする場合は
入院加療がのぞましいケースもあります。
また、耳の神経領域では難聴やめまいをともなったり、目の神経領域では角結膜炎で視力低下などをおこしたり、
陰部の領域では排尿障害が出たりなど、、
合併症にも注意が必要です。
その場合は、ステロイドなどの投与が必要になることもあります。
痛みをともなう、片側性の発疹がでた場合は、帯状疱疹かも?と疑ってみてください。
そして、けしてがまんせずに皮膚科を受診してください。
早めに抗ウイルス剤で治療開始したほうが、痛みも残りにくいです。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました☺