手の多汗症のあたらしい治療薬
カテゴリ: 皮膚科
投稿日時:2023年05月27日
こんにちは!
名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、
梅森台レオ整形外科・ヒフ科 副院長の大口亮子です。
前回ブログで多汗症の治療について書きました。
https://leo-clinic.jp/blog/918/
今回は、6月1日に新しく発売される手掌の多汗症の治療薬について紹介します☻
名前は「アポハイドローション20%」
手汗で悩む患者さんにとって、保険適応の外用治療薬が発売開始となったことはとても嬉しいことです。
薬の作用の仕方を説明します。
アポハイドローションの有効成分である「オキシブチニン塩酸塩」が、
手掌のエクリン汗腺に発現しているムスカリン受容体に結合することにより、
汗を出す信号の「アセチルコリン」が受容体に結合することを防ぐ=「抗コリン作用」を発揮し、汗を抑えます。
説明、難しいですかね💦
塩化アルミニウムローション(自費、当院と連携の薬局では1本500円程度)が、物理的に汗腺をふさぎ発汗を防ぐものだとすると、
アポハイドローション(保険適応)は、薬物の作用で発汗にみちびく信号そのものを止めると思ってください。
腋窩多汗症のエクロックゲルやラピフォートワイプと同じような作用機序となります。
塗り方は、1日1回就寝前に両手をすりあわせて塗ります。
ほぼ透明のローションでさらっとした使用感で、すぐに乾いてくれます。
成人だけでなく、小児のお子さんも使えるのですが、
注意したいところは「その手は洗い流さないですぐに寝ること」
「起床するまで眼などにふれないようにすること」
これを守っていただけるならば、お子さんも使えます。
抗コリン作用を有している薬なので、目に入ってしまうと眼の調節障害などが起きてしまう可能性があります。
そのほかの副作用としては、外用による皮膚炎(かぶれ)、
抗コリン作用によって、口渇感なども頻度は5%以下と少ないですがありえます。
新薬なので、1年間は1回の診察につき2本(2週間分)ずつしか処方できませんので、
ご留意ください!!
新薬を処方する際には、
医師は、使った患者さんの効果のほかにも、副作用のチェックなどが必要となっており、
副作用がでた場合には製薬会社に報告しているのです。
なので、ご足労かけますが、2週間おきに来てくださいね。
新しい薬をつかってみて、どうだったか、診察のときにぜひ教えてください!!!
では、最後まで読んでいただきありがとうございました💙