新しい治療外用薬<ブイタマークリーム>
カテゴリ: 皮膚科
投稿日時:2024年10月17日
- こんにちは!
名古屋市天白区、名東区、日進市の境目にある、整形外科、リハビリ科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科クリニック、
梅森台レオ整形外科・ヒフ科 副院長の大口亮子です。
今日は、10月29日から処方が開始できる、新しい外用薬「ブイタマークリーム」
についてご紹介します。
こちらは、一般名は「タピナロフ」
作用機序は、できるだけ簡単にいうと、
皮膚の細胞内にある芳香族炭化水素受容体(AhR)にタピナロフがくっつくことにより受容体を活性化させ、さまざまな遺伝子・タンパク質の発現を調整し、
皮膚の炎症を抑えたり、バリア機能を回復させる作用を引き起こします。
適応となる疾患は、なんと!!
アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬のどちらにも、です🤩
ステロイドではない(含まない)抗炎症作用のある外用薬としては、
アトピー性皮膚炎にはプロトピック・コレクチム・モイゼルトがありますが、
尋常性乾癬では、初めての外用剤です⭐️
尋常性乾癬のこれまでの治療外用薬には、
マーデュオックスやドボベットがありますが、
ステロイドが配合されているので「長期に外用」することにより、「塗り方によっては」皮膚が菲薄化してしまうのが難点です。
(あえて「」つけたのは、これらを使うことを否定しているわけでは全くないからです)
ブイタマークリームは、
アトピーや乾癬に対する抗炎症作用だけでなく、
皮膚の保湿因子を増やす作用があり、バリア機能の改善にもなります。
なので、保湿と混合せず、単剤での使用がまずは推奨されます。
軟膏ではなく、クリーム製剤なので、伸びがよく塗りやすいのが嬉しいです😊
しかも1日1回の外用でいいのです🙌
アトピー性皮膚炎では12歳以上から、
尋常性乾癬では15歳以上から使えます。
妊娠・授乳中は禁忌ではなく有益性投与となっています。
ちなみに、有益性投与とは、使用することが「リスク<有益」である場合は投与しても良いということです。
副作用としては、疾患にもよりますが、ニキビ、かぶれ、頭痛などが起こります。
頭痛についてはなぜかアトピーの患者さんの方が起こりやすい様ですが、
1週間程度で落ち着くことが多いそうです。
製剤見本を塗ってみました。
私個人の感想ですが、
匂いはほぼ無臭 ベタつきほぼ無し 一瞬ほんの少しピリッとした気がしますが1分後にはなんともありませんでした。
画像がでっかくなってしまってごめんなさい🙇♀️
29日から処方開始できます。
新しい薬なので金額が高めです・・・3割負担の方で1本15gで自己負担額が1500円程度です。
1日1回の外用で良いこと、
保湿は無しでも良いこと、
そのあたりで費用対効果を実感できると良いなと期待しています。
では最後まで読んでいただき、ありがとうございました🫶